美容院やサロンでマッサージやヘッドスパを受けたときに「頭皮が硬くなっている」といわれたことはありませんか?または、頭全体が張っているような感覚が気になり、自分で触って「なんとなく硬いな…」気づくということもあるでしょう。
頭皮が柔らかい人ほど薄毛になりにくいという説もあります。結論からいうと、頭皮の硬さと薄毛、抜け毛の関係がはっきりと解明されている訳ではないものの、一般的に考えて頭皮が硬いまま放置することはあまり良くありません。
どうして硬い頭皮が良くないと考えられるのか、また硬い頭皮を改善するには何をすべきかなどについて、詳しく見ていきましょう。
硬い頭皮は血流が悪くなっているかも
頭皮が硬くなっている場合、その下の血管がギュッと縮んでいて血流が悪くなっている可能性があります。
イメージがわかない方は、肩こりを思い出してみてください。肩こりは、肩付近の筋肉が緊張し続けることで血管が圧迫され血流が低下した状態で、その結果痛みやコリの症状が出てくるようになります。頭皮の下には肩と同じように筋肉が広がっているわけではありませんが、硬くなった頭皮の下を走る血流が悪くなっている可能性は考えられるでしょう。
さらに、髪の成長を司る毛根部は頭皮の下を走る血管とつながっており、血管から育毛に必要な栄養素を受け取っています。そのため、頭皮が血行不良だと髪が十分な栄養を受け取れなくなり、髪の成長サイクルが乱れ、薄毛や抜け毛の要因となってしまうのです。
肩こりと同じように、硬くなってしまっている頭皮には、マッサージによる血行促進が効果的です。マッサージの前に、炭酸スプレーや、血行促進する清涼感のあるスプレーを頭皮に馴染ませてから行うとより効果的でしょう。(頭皮に湿疹等異常がある場合は刺激となるスプレーは控え、マッサージもトラブル部分は避けて行いましょう)。まずは、自分でもできる頭皮マッサージを取り入れていきましょう。
頭皮の血行を促すマッサージの方法
まず、マッサージをするときの指の動かし方については、2通りの動かし方があります。
一つが「揉捻法(じゅうねんほう)」です。もみほぐす動きで、頭皮を指の腹でつまみ上げるようにしてマッサージします。もう一つは「圧迫法」で、指で頭皮を強く押して離すマッサージ方法です。指を押し付けて離すだけですが、強く押した指を離したときに血流が促され、血行が改善します。
毎日の頭皮ケアに取り入れられるマッサージ方法
- 髪の生え際の少し手前に両手の指を置きます。
- 置いた指に力を込め、円を描くようにしながら頭頂部に向かって揉捻法でもみほぐしていきます。
- 頭頂部までほぐしたら、同じようにして頭頂部→こめかみ、頭頂部→後頭部のように頭部全体をほぐします。
- 今度はマッサージ方を圧迫法に切り替えて、1~3と同じ順番で頭皮全体をリズミカルに圧迫→離すを繰り返していきます。
リフトアップ効果のある「こめかみ上げ」
- 頭を両脇から挟み込むようにして、両手の付け根を耳より少し上に置きます。
- そのまま手に力を込めながら、側頭部の皮膚を上方向に引っ張り上げます。
- 3秒間引っ張り上げたら力を抜いて3秒置きます。
- 2~3を3セット行います。
マッサージを行うときの注意点
マッサージの力加減や、どのくらいの時間行うかなどは、痛気持ちいと感じるくらいが理想です。上記で挙げたマッサージ方法も一例ですので、自分で気持ち良いと思うやり方で行って構いません。
ですが、体調が優れないときや飲酒後など、いつもと違う状況のときは無理に行わないようにしましょう。頭部にケガがあって強い力を加えるべきでないときは、悪化させることがあるので行わないでください。また、妊娠中の方もマッサージ自体には注意が必要ですので、事前にかかりつけ医に相談するようにしてくださいね。
あわせて血行を促す生活習慣に切り替える
睡眠不足や運動不足、喫煙、偏った食生活など、生活習慣の乱れも頭皮の血行不良を引き起こす原因になり得ます。育毛を助ける栄養素や生活習慣について、『髪の毛を増やす方法とは?食べ物・ヘアケアでの抜け毛や薄毛対策と育毛剤の選び方』で紹介しています。ぜひ参考にして生活に取り入れてみてください。
まとめ
硬くなってしまった頭皮のケアは、気づいたときからいつでも始めることができます。薄毛や抜け毛が気になっているのであれば、毎日のシャンプーやヘアケア時にマッサージを組み込んで習慣化させると◎。頭皮マッサージにはリラックス効果もあるので、ぜひ気分のリフレッシュも兼ねて健やかな頭皮を手に入れましょう。
- この記事の監修専門家
- エステティシャン、スキンケアマイスター、毛髪診断士、サロンオーナー
山口 史恵