さらさらでツヤのある髪は、その人を健康的かつ若々しく見せてくれるもの。男性もビジネスシーンはもちろん、異性の間で好印象を勝ち取るために、髪の手入れを意識したい時代です。今回は髪を美しく保つために必要なケアについて紹介します。
髪の構造や特性を知ってお手入れに役立てよう
髪の美しさを保つには、「髪の構造」や「ダメージの原因」を知っておくことが大切です。
髪の構造:美しさを左右するのはキューティクル!
ヒトの髪は、主にタンパク質からできています。ただし肌のタンパク質より硬く、ハードケラチン(硬ケラチン)とよばれています。硫黄を多く含んでいるため、燃やすと独特の臭いがします。
毛髪の構造は、海苔巻きを想像するとわかりやすいでしょう。中心の具に相当するのが「メデュラ」、ごはん部分が「コルテックス」、外側を覆う海苔が「キューティクル」です。
・メデュラ(毛髄質)…空気を含んだやわらかいタンパク質の芯
・コルテックス(毛皮質)…繊維状のケラチンタンパクで、毛髪の太さや硬さを決める部分
・キューティクル(毛小皮)…毛髪全体を覆うウロコ状のケラチンタンパク
髪にツヤやなめらかさを与えているのは、最も外側を覆うキューティクル。キューティクルは毛髪内部の水分やタンパク質を外に逃がさない働きも担っています。美しいツヤや枝毛・切れ毛のない髪をキープするには、欠かせない存在なのです。
ダメージの原因:キューティクルをいたわろう
キューティクルのウロコは、毛先に向かって5~6枚が重なり合っています。髪が濡れているとウロコ部分が外に広がり、水分やタンパク質が流出しやすくなります。そのため髪が濡れているときはできるだけ丁寧に扱うとともに、すみやかに乾かしましょう。
また以下のような物理的・化学的刺激も、髪にダメージを与えます。
・摩擦…力まかせのブラッシングやシャンプー時の髪同士の擦り合いはキューティクル剥離の原因に
・熱…ドライヤーやヘアアイロンの高熱は髪内部の水分蒸発やタンパク質変性を招き、強度低下・断毛に
・ヘアカラーやパーマ液…髪の構造を変化させ、強度低下・キューティクル剥離の原因に
・紫外線…髪の乾燥や強度低下を招く。色素やツヤ消失の原因となることも
毎日のヘアケアでは、このような刺激でキューティクルにダメージを与えないことが大切です。
日常におけるお手入れのポイント
キューティクルを守るために、毎日のヘアケアで気を付けたいポイントについて見ていきましょう。
ブラッシング
ブラッシングには毛流れを美しく整える役割、髪や頭皮の汚れを浮き上がらせる役割、キューティクルを整えて髪のツヤを引き出す役割などがあります。頭皮を刺激して血行を促すこともできるので、男性もぜひ習慣にしたいものです。
やり方は髪が乾いているときに、全体を一通りブラッシングします。短めの髪であればいったん毛流れに逆らってつむじ方向へとかしてから、ヘアスタイルを整えます。長めの髪はからまりやすいので、毛先から少しずつほぐしながらとかしていきます。
ブラシの素材は静電気が起こりにくい獣毛(豚毛や猪毛など)や、髪にツヤを与える油分がしみ込んだ木製など天然素材がおすすめです。ブラッシングは、シャンプーの前にも取り入れましょう。汚れを浮き上がらせるとともに、髪同士のもつれを防いで摩擦を軽減できます。
シャンプー
まず38度前後のぬるま湯だけで軽くすすぎます。この時点で汚れの大半が落ち、シャンプーの泡立ちもよくなります。
シャンプー中は指の腹で頭皮をやさしくマッサージするように洗い、髪と髪を擦り合わせないようにしましょう。すすぎも38度のぬるま湯で、時間をかけて丁寧に。洗い終わったら自然乾燥に任せるのではなく、タオルやドライヤーを使ってきちんと乾燥させましょう。
リンス・コンディショナー/トリートメント
髪が短い人は、シャンプーだけで済ませる人も多いことでしょう。ただし髪のパサつきが気になるとき、パーマやヘアカラーで髪が痛んでいるときは、リンスやトリートメントを取り入れてみませんか?
リンスやコンディショナーには髪表面をなめらかに整え、摩擦や静電気から髪を守る働きがあります。トリートメントはさらに水分や油分を補い、髪のダメージを補修する働きも。髪の状態に合わせて選びましょう。
いずれのアイテムも頭皮ではなく毛先を中心になじませ、全体を1~2分かけてすすぎます。トリートメントは洗い流す前に5分ほど置くとよいでしょう。
タオルドライ
洗髪後、タオルドライで水分をしっかり吸収させると、ドライヤーを使う時間が短縮できます。ただし、ゴシゴシこすると摩擦でキューティクルにダメージを与えることがあるので注意しましょう。
タオルドライをするときは、まず頭全体にタオルをかぶせ、髪の水分を吸収させます。次に毛先をタオルで挟み込むように、やさしく水分を吸い取らせましょう。
ドライヤー
ドライヤーをかけるときは、毛先ではなく頭皮全体を乾かすイメージで。熱が一か所に集中しないよう、頭から20センチほど離し、送風口を揺らしながら風をあてるのがコツです。最後に冷風に切り替えて髪にあてると、キューティクルを引き締めツヤのある髪に仕上がります。
さらっとツヤ髪は毎日のお手入れ次第
毛穴から伸びている毛髪は、すでに細胞分裂を終えた状態。そのため一度ダメージを負ってしまうと、もう修復されることはありません。
すこやかな髪を育てるには、シャンプーなどで頭皮の汚れを落として頭皮環境を整えるケアが欠かせません。そして、髪を美しく保つにはキューティクルを傷つけないことが大切なのです。
今回紹介したお手入れのポイントを取り入れて、さらっとツヤのある髪を維持しましょう。
- この記事の監修専門家
- スキンクリニック藤枝 院長
小野 健太郎