温泉やジム、クラブハウスの脱衣所には、よくヘアトニックが備えられていますよね。なんとなく「中高年世代が使うもの」というイメージもあるヘアトニックですが、どのような目的で使うもので、どのような効果が期待できるのでしょうか。
今回はヘアトニックの基礎知識や、選び方・使い方を紹介します。
いまさら聞けない!「ヘアトニック」って何?
トニック(Tonic)とは英語で「元気づける」などの意味を持つ言葉。ヘアケア商品では整髪料から養毛剤まで幅広いアイテムが、この名称で販売されています。
ヘアトニックの多くは身体への作用が穏やかな「化粧品」に分類されるアイテムですが、なかには育毛に役立つ有効成分を配合した「医薬部外品」の薬用トニックもあります。
また、ヘアトニックといえばよく「ヘアリキッド」と混同されますが、リキッドは油分の配合が多め。ヘアクリームやヘアジェル、ポマードなどとともにヘアスタイルを整えるときに使うものと覚えておきましょう。
ヘアトニックを使うメリットは?
ヘアトニックには頭皮に塗布して爽快感を与えたり、うるおいを与えて皮脂のバランスを整えたり、フケ・かゆみを抑えるなどの働きがあります。
・髪や頭皮を清浄に保ち、頭皮環境を整える
・爽快感のあるタイプが多く、使うとスッキリして気分転換につながる
・医薬部外品の薬用トニックを選べば「抜け毛を防ぐ」「発毛促進」などの効果効能も期待できる
「汗ばむ季節にリフレッシュ目的で使いたい」「あまりコストをかけずに、頭皮によいことを始めたい」という人にもぴったりですよね。近年は香りが楽しめるタイプから、微香料・無香料タイプまでバリエーションもさまざまにあります。
一方でヘアトニックは一般化粧品に分類される商品が多く、そうした商品には「育毛・発毛促進」の効果が認められてはいません。
育毛や発毛促進、全体のボリュームダウン、髪のハリ・コシの低下が気になる場合は、育毛効果が認められている医薬部外品のヘアトニックを選んでケアをしましょう。
ヘアトニックの選び方は?
各社からさまざまなタイプのヘアトニックが発売されていますので、頭皮に使う目的に合わせて選びましょう。
すっきりとした清涼感が欲しい
メントールやハッカ、アルコール(エタノール)配合のものを選びましょう。地肌に勢いよく噴射されるエアゾールスプレータイプを選ぶ方法もあります。
皮脂の多さにべたつきやよるフケ・かゆみを抑えたい
頭皮がすぐべたべたする、湿り気のある大きなフケが気になる…という場合は、皮脂を抑える成分が配合されているとよいでしょう。
・皮脂を抑える成分…ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)やビタミンC(アスコルビン酸) など
また皮脂が多いと常在菌が過剰に増殖し、頭皮にダメージを与えることがあるため、抗菌・殺菌作用のある成分などにも注目してみましょう。
頭皮の乾燥によるフケやかゆみを防ぎたい
頭皮がかさつく、パラパラした細かいフケが気になる…などの場合は、頭皮にうるおいを与える保湿成分に注目して選びましょう。
・保湿成分…アミノ酸、ヒアルロン酸Na、グリセリン、コラーゲン、海藻エキス など
アルコールなどのスーッとする成分は、頭皮に刺激を与えてしまうのでおすすめできません。乾燥からくる赤味やかゆみが気になるときは、医薬部外品の抗炎症成分(グリチルリチン酸ジカリウムなど)が配合されているものを選ぶとよいでしょう。
敏感な頭皮に使いたい
保湿成分が配合されたもので、なおかつ肌や頭皮に刺激となる成分が含まれていないものを選ぶことがポイント。アルコールフリーやサルフェート(硫酸塩)フリー、パラベンフリー、シリコーンフリー、無香料・無着色などの表記に注目してみましょう。
育毛にも役立てたい
有効成分を配合した医薬部外品(薬用)の商品を選びましょう。
・血行を促す成分…センブリエキス、ニコチン酸アミド、ニンジンエキス、ビタミンE誘導体、パンテノール など
ヘアトニックの基本的な使い方
ヘアトニックには化粧品のようなボトル入りのローションタイプ、頭皮にそのまま吹きかけるスプレータイプなどがあります。使い方と注意点についても見ておきましょう。
<使い方>
1. 適量を頭皮に塗布する
2. 指の腹を使って、軽くマッサージしながらすり込む
一か所に大量につけると、顔や服に垂れ落ちることがあります。数回に分けて塗布しましょう。
使うタイミングは朝や晩に1日1~2回。シャンプー後に使用するときは、よくタオルドライをして水気をふき取ってから塗布します。
マッサージをするときは、頭皮に爪を立てて傷つけないよう注意を。またパーマやヘアカラーの直後は頭皮がデリケートな状態になっているので、使用を避けましょう。
1本あると便利!ヘアトニックで爽やかに頭皮ケア
むずむずしたり、汗をかいてムレ・臭いが気になったり…。頭皮はちょっとしたことで不快感が出ることも。そんなときは、頭皮を清浄に保つヘアトニックが1本あると便利ですね。
ヘアトニックは価格も手ごろなものが多く、香りや使用感も、さまざまなバリエーションから選べます。グルーミングアイテムとして活用するのもよいですし、若いうちから頭皮によいことを取り入れたい人にもおすすめ。30を過ぎてくると、毛髪の衰えを感じる男性は増えていきます。頭皮を健やかにするヘアトニックを上手に選んで、ヘアケアに役立てましょう。
- この記事の監修ドクター
- 吉井クリニック 院長
吉井 友季子