「髪は女性の命」といわれています。綺麗な髪を保つために普段からヘアケアに気を付けているのに、髪が乾燥して広がってしまう、パサついて手触りが悪い……などの悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
潤い不足は頭皮トラブルの原因にもなり、フケやかゆみのほか、抜け毛などを引き起こすこともあります。髪の乾燥が進んでしまう原因を解説したうえで、その対策や正しい保湿ケア方法、さらにおすすめの保湿シャンプーをご紹介します。
乾燥してパサつく髪の原因
髪の乾燥による広がりやパサつきは、さまざまな要因で引き起こされます。パサついた髪は見た目年齢も引き上げてしまうので、なるべく防ぎたいですよね。まずは、髪の乾燥が進んでしまう原因を詳しく見ていきましょう。
間違ったヘアケアによるダメージ
誤ったヘアケアは、髪の乾燥やパサつきに繋がります。まず気をつけたいのが、髪の洗い方です。シャンプーの際に力を入れてゴシゴシ洗ったり、髪の毛同士を擦り合わせたりすると、髪の毛を保護している「キューティクル」を傷つけてしまいます。その結果、髪の毛の内部の潤いが流れ出して、乾燥やパサつきが引き起こされてしまいます。
また、保湿が必要なのにさっぱり感を重視したコンディショナーを使っているなど、髪の状態に合わないケアをしている方も要注意です。さらに、ドライヤーの使い方も大切です。ドライヤーを髪に近づけ過ぎたり、必要以上に熱をあてづつけると、髪の毛のたんぱく質が変性して傷んでしまいます。
不規則な生活習慣や栄養不足
生活習慣や食生活も、髪の潤いに大きな影響を及ぼします。睡眠不足や昼夜逆転の生活、ストレスが溜まる生活を続けている方は気をつけましょう。自律神経のバランスが乱れ、血液の流れが悪くなります。その結果、栄養や水分が頭皮に行き渡らず、健康的な髪の成長が妨げられてしまうことが考えられます。
また、偏った食生活も要注意です。髪は食べ物から作られているので、必要な栄養素が不足すると髪がやせ細ってパサパサになり、フケや抜け毛にも繋がります。
紫外線による影響
紫外線によるダメージも、髪の乾燥を引き起こす要因のひとつです。強い日差しにあたり続けると、頭皮の潤いが失われ、乾燥や刺激から守るバリア機能が低下し、乾燥やかゆみなどを引き起こしてしまいます。
また、強い紫外線を浴びると髪の主成分であるタンパク質が変性し、髪を保護しているキューティクルが剥がれやすくなります。その結果、髪の防御力が落ちてしまうためダメージが進行し、ツヤの低下や乾燥、枝毛などに繋がってしまうのです。
髪や頭皮の乾燥を防ぐ保湿ケア
このように、髪や頭皮の乾燥は、紫外線などの外的要因に加えて、栄養不足などの内的要因によっても引き起こされてしまいます。ここからは乾燥を防ぐための保湿ケアをご紹介します。
ダメージを与えない正しい洗髪と乾かし方
まずは、正しいシャンプーの仕方を心掛けましょう。
- 丁寧にブラッシングをし、髪の絡まりをとき、埃や汚れなどを浮き上がらせます。
- シャンプーをつける前に、地肌までしっかりと濡らします。
- シャンプーを手のひらで泡立て、指の腹で地肌をやさしくマッサージするように隅々まで洗いましょう。
- 頭皮トラブルを防ぐために、泡が残らないように念入りにすすぎます。
- 軽く水気を切ったら、コンディショナーやトリートメントを、頭皮につかないように毛先から髪全体になじませて、しっかりすすぎます。
さらに、髪の乾かし方も大切です。
- タオルで髪を押さえるようにして水分を取ります。髪同士をこすり合わせるのは避けましょう。
- 地肌を指で軽くこするように動かしながら、温風で乾かします。この際、ドライヤーを髪から10センチ以上離すのがポイントです。
- 髪に熱をかけ過ぎないよう、温風と冷風を交互に使い分けながら乾かしましょう。
紫外線対策を忘れずに
髪は一度紫外線によるダメージを受けると、自然回復は望めません。ダメージを防ぐ紫外線ケアをすることが望まれます。
強い紫外線は真夏だけではなく、春先の4~5月から降り注ぎます。そのため、真夏以外でも屋外に出かける際は、つばの広い帽子を被ったり日傘を差したりして、髪を守りましょう。また、髪用の日焼け止めを併用するとより効果的に紫外線をブロックできます。髪表面だけではなく頭皮にも使用することが大切です。
なお、日焼け止めのSPFやPAの数値は強ければ良いというわけではありません。刺激が強いと頭皮の肌荒れの原因になることもあります。ウォータープルーフタイプのものは専用クレンジングが必要かなども見て、選びましょう。シーンに合わせて使い分け、紫外線をしっかり防ぎましょう。
しっとりツヤ髪をつくる保湿シャンプーの選び方
このほかにも、乾燥をケアしてツヤ髪に導く、保湿効果の高いシャンプーを選ぶことも大切です。毎日使うものだからこそ、髪の状態に合った成分の商品を選び、より効果的なヘアケアを行いましょう。
アミノ酸系シャンプーを選ぶ
現在市販されているシャンプーの多くに「硫酸系」の洗浄成分が配合されています。このタイプの商品はリーズナブルで泡立ちが良いのが特徴です。しかし、頭皮の保湿に欠かせない皮脂を溶かして洗い流してしまう作用が強いため、長期間使い続けるとツヤの低下や抜け毛に繋がる恐れがあります。
そこでおすすめしたいのが、「アミノ酸系」のシャンプーです。このタイプは、洗浄力が比較的弱く、皮脂を頭皮にきちんと残してくれるのが特徴です。アミノ酸系シャンプーに配合されている成分は、「~グルタミン酸」「~アラニン」「~グリシン」という名前が多いです。これらを配合することで、頭皮に必要な皮脂をキープして潤いを守りながら、やさしく洗浄してくれます。さらに、皮膚や毛髪と同じ弱酸性なので頭皮への負担も少なく、洗浄成分が髪のダメージに吸着して浸透し、保湿するトリートメント効果もあります。
保湿成分もしっかりチェック
シャンプーには、洗浄する成分とともに、すすぐときの滑りを良くするための保湿剤(ポリクオタニウムなど)やしっとり感を出す油性成分(ツバキ種子油)が配合されているものがあります。これらの成分に着目して選んでみてもいいでしょう。また、リンスやコンディショナーなどで保湿することも重要です。
十分な睡眠とバランスの良い食生活にも気を付ける
髪や頭皮の保湿に加え、日々の生活習慣を見直すことも重要です。まずは、食事や睡眠などの生活リズムを整えてリラックスできる時間を確保し、ストレスを溜めないようにしましょう。その結果、血流にのって必要な栄養素や水分が頭皮にしっかりと届きます。血流を妨げてしまう喫煙習慣は、見直してみてください。
さらに、栄養バランスのとれた食生活を心掛け、髪の成長に必要な栄養素を積極的に取り入れることも大切。特に摂取したい栄養は、「タンパク質」「ビタミンB群」「ミネラル」の3種類です。
髪の主成分であるタンパク質は、大豆製品や肉、魚などに多く含まれています。また、ビタミンB群は健康な髪や肌には欠かせない栄養素なので、積極的に摂り入れましょう。主に豚肉やレバー、うなぎなどに多く含まれています。なお、海藻類に多く含まれるミネラルは、身体の恒常性を保ち、細胞の活動をサポートしてくれます。日々の生活の中でこれらのポイントを意識していくことで、潤いのあるしっとりとしたヘアに導くことができます。
まとめ
髪の健康を取りもどすためには、ダメージを軽減することに加えて、体の内側から頭皮環境を整えていくことが大切です。
ヘアケアの方法や日ごろの生活習慣を見直し、保湿シャンプーを活用することで、しっとり潤う美しい髪を手に入れましょう。
- この記事の監修専門家
- 毛髪診断士
江波戸 恵美