いつまでもきれいでツヤのある髪の毛は、女性の憧れです。しかし、実際はゴワつきやパサつきを改善できなくて悩んでいる人も多いもの。パサつきの原因を知らずに自己流でケアケアしてしまい、余計に悪化させている可能性もあります。今回は、その原因を知り、うるおいのあるツヤ髪に改善する正しいお手入れの方法をご紹介します。
髪の毛がパサパサになる原因
まずは髪の毛がパサついてしまう原因について知ることから始めましょう。
カラーやパーマのダメージ
カラーやパーマを繰り返すと、薬剤による化学的なダメージにより髪の構造が弱くなります。すると一番外側のキューティクルが剥がれ落ち、髪の内部からタンパク質や脂質などの栄養が流れ出し、スカスカの空洞のようになってしまうのです。
このような状態では、髪の内部に水分をキープすることが難しくなり、外気の乾燥などの影響を受けてパサついた髪になってしまいます。
誤ったシャンプー方法
髪の毛のキューティクルは摩擦にとても弱いものです。濡れると余計にもろくなってしまうので、ゴシゴシと強めに洗髪するとキューティクルが剥がれてしまいます。また、きれいで健康的な髪の毛を生やすためには頭皮の状態も関係しています。
必要以上に洗浄力の高いシャンプーを使ったり、爪を立てて洗ったりしていると、頭皮が傷ついてしまい乾燥などの頭皮トラブルが起こりやすくなります。
洗髪後のケア不足
洗髪した後の髪の毛は、キューティクルが開いたままになっていて非常に不安定な状態です。そのままドライヤーもせずに放置しているとキューティクルが傷つき髪はパサついてしまいます。乾かすときもキューティクルの流れに沿ってドライヤーをする必要があるため、ただ乾かせばよいというわけにもいかないのです。
髪の毛の栄養不足
髪の毛は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質を主成分として作られています。また、健康的な育毛にはビタミン・ミネラルなどが欠かせないため、バランスのよい食事が重要になります。
ダイエット目的で食事を抜いたり、ファストフードなどで簡単に済ませたりしていると、栄養が偏りタンパク質などの栄養が不足してしまいます。すると、髪の毛が弱くなりパサつきやうねりなどの原因になってしまうのです。
髪のパサつきの対策方法
髪の毛は生きた細胞ではできていないため、すでにダメージを受けてしまった髪を元に戻すことはできません。しかし、パサついた髪もきちんとケアすれば手触りやまとまりを良くすることは十分可能です。ここからは、パサパサにならないためのケアケアと食生活の見直しについてご紹介します。
トリートメントを使ったダメージケア
すでに痛んでしまった髪の毛には、トリートメントが効果的です。ダメージケア用のトリートメントは髪の外側と内側の両方から補修してくれて、ブラッシングや就寝時の摩擦からもしっかりガードしてくれます。
トリートメントは特別なケアというよりは、普段のケアとして毎日欠かさずに行うと、日々のダメージから髪の毛を守ることができ、ツヤのある髪の毛に近づけます。
シャンプーの正しい使用方法
清潔な地肌やきれいな髪の毛を保つためには、シャンプーを正しく行う必要があります。正しくシャンプーをすると摩擦によるキューティクルの剥がれを抑えパサつきも防げます。それでは、正しいシャンプーの仕方について説明します。
〈正しいシャンプーの仕方〉
- しっかりとブラッシングして地肌の汚れを浮かし、髪の毛のもつれをといて髪に付いた整髪剤やホコリを
落とします。 - シャンプーの洗浄力を最大限に引き出すために、髪の毛と地肌をしっかりと濡らして予洗いします。地肌から分泌された皮脂が毛先まで覆っており、サッと濡らすだけだと水を弾いてしまうため、ここは丁寧に念入りに行いましょう。
- シャンプーを両方の手のひらに広げしっかりと泡立てて、地肌に何箇所かに分けてつけます。そして指の腹でマッサージするように洗います。髪の毛は泡で包み込むだけでも汚れが取れますので、必要以上にゴシゴシしないようにしてください。洗い残しやすい耳の後ろから襟足、耳の上辺りの生え際なども忘れずに洗いしましょう。
- シャンプーが残らないように時間をかけてしっかりとすすいでください。
洗髪後の乾かし方とケア方法
ドライヤーで乾かすと髪が傷みそうと敬遠しているなら、それは間違いです。髪の毛を乾かさず生乾きのままにしておくと、癖がつきやすくパサつきの原因にもつながります。ドライヤーを使って正しく乾かせばキューティクルを整え、サラサラの美髪を作ることができます。
〈正しい髪の乾かし方〉
- 長時間のドライヤーを避けるために、頭にタオルをのせて指の腹でマッサージするように優しく頭皮の水分をふき取ります。髪の毛の長い人は、タオルで髪の毛を挟んでポンポンと優しく叩くように水分を吸い取ります。濡れた髪の毛は摩擦に弱いので、ゴシゴシと拭かないようにしてください。
- ドライヤーは髪の毛から10cm以上離して当てます。キューティクルの流れに沿うように、上から下に向かって斜め45度の角度で乾かしていきます(根元以外)。
- 指で髪の毛を根元からかき上げ、小刻みに地肌を軽くこするようにしながら、ドライヤーの風を当てていきます。
- 同じところに熱風を当て続けないために1箇所につき2秒程度を目安に移動させながらまんべんなく頭皮全体を乾かします。
- 髪の毛は乾ききってしまうと温度が急上昇してしまうので、乾ききる前に温風と冷風を交互に当て、最後に冷風で仕上げるようにすると、キューティクルがキュッと締まりしっとりとしたツヤ髪に仕上がります。
パサパサ髪に効果的な栄養素を摂取
髪の毛を構築している成分の99%が「ケラチン」というタンパク質です。タンパク質はアミノ酸がつながってできたもので、ケラチンの場合は約18種類ものアミノ酸がつかわれています。なかでも「シスチン」というアミノ酸の量が多いのが特徴です。
シスチンはさまざまな食品に含まれていますし、システインやメチオニンといった他のアミノ酸から体内で合成することもできます。ケラチンにはイオウも含まれているため、イオウを含むタンパク質(アジ、サバ、イワシ、サンマ、白身魚、ササミ、チーズ、豆腐、納豆、大豆製品など)を摂るとともに、うまくケラチンが体内で作り出せるように、緑黄色野菜や根菜類でバランスよくビタミンとミネラルも摂取しましょう。
髪のパサつきにおすすめのヘアケアグッズの選び方
ヘアケアグッズを活用して、髪の毛を外側からもしっかりケアすれば髪のパサつきの改善が期待できます。日頃使っているヘアケアグッズを変えるだけでもきれいな髪に近づけることができるかもしれません。
パサつきに効果的なシャンプー
パサつきにオススメなのが、アミノ酸系のシャンプーです。低刺激で頭皮にやさしく、皮脂を落としすぎないため適度に保湿してパサつきを防ぐことができます。
髪の内側からケアするトリートメント
パサつきが気になる人は、シャンプーとリンスの間にトリートメントを使うとよいでしょう。トリートメントは髪の内側からしっかりとダメージをケアして、内部からタンパク質の流出を防いでくれます。トリートメントには複数の種類があるので、髪質や目的に応じて選ぶようにしてください。
パサつく髪を保湿するヘアオイル
ヘアオイルは髪の毛を乾燥させないために使用するものです。パサつきを未然に防いでくれる働きがあります。パサつきに効果的なのは、髪の毛の修復成分が配合されているタイプ。
お手入れのタイミングは、キューティクルが開いて成分が浸透しやすいお風呂上りで、しっかりとタオルドライした後がベストです。髪の毛を紫外線から守ってくれるUV効果のあるヘアオイルなら、朝のスタイリング時に使用してもよいでしょう。
まとめ
髪のパサツキが気になったら、ヘアケアの仕方やシャンプーを変えてみたり、食事にしっかり気をつけるようにするとよいかもしれません。うるおいのあるツヤ髪を手に入れるために毎日しっかりケアしていきましょう。
- この記事の監修専門家
- エステティシャン、スキンケアマイスター、毛髪診断士、サロンオーナー
山口 史恵