頭皮の環境改善にあたって、まず手軽にはじめやすいのが育毛シャンプーではないでしょうか。育毛剤よりも比較的安価で手に取りやすく、日常生活にも取り入れやすいですよね。たくさんの種類の中から自分に合ったものを見つける方法、またシャンプー以外の育毛に効果的な保湿ケアや紫外線対策なども合わせて紹介していきます。
育毛剤と育毛シャンプーの違い
2つの違いは「育毛効果」が認められているかどうかです。
育毛剤は、頭皮の働きを正常化することで抜け毛を防いだり、ヘアサイクルの乱れを整えて育毛を促したりする働きがあります。育毛効果が認められた「医薬部外品」と、発毛効果が認められた「医薬品」があります。
一方、育毛シャンプーは頭皮の汚れを取り除くことでフケ・かゆみを防いだり、髪にハリやコシを与えたりすることが目的で作られています。実は、一般的に「育毛シャンプー」と呼ばれるものには育毛効果が認められた医薬部外品は存在しません。ただし、育毛剤に含まれている成分が配合されているシャンプーもあります。
育毛シャンプーですこやかな髪の土台を整えよう
先述したとおり、シャンプーにはそれ自体に育毛効果が認められたものはありません。ただし、抜け毛や薄毛の大きな原因のひとつには、毛穴に皮脂や汚れが詰まっているなどの頭皮環境の悪化があります。しっかりと頭皮環境を整えてくれるシャンプーを選ぶことで、すこやかな髪が育つ土台をつくりましょう。
男性におすすめの育毛シャンプーの選び方
シャンプーの種類は大きくわけると下記の3種類があります。それぞれの特徴と見分け方をみていきましょう。
高級アルコール系
洗浄成分に石油系の原料から作られた界面活性剤が使われており、泡立ちがよく洗浄力も強いシャンプーです。市販のシャンプーの多くがこのタイプに該当します。
成分表示に「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸」などと記載されているものになります。ノーマル肌や乾燥肌の頭皮の場合、皮脂を取りすぎてしまう恐れがあるため、使用はあまりおすすめできません。
石けん系
その名の通り、昔ながらの環境にやさしい石けん成分で作られたシャンプーです。パッケージには「石けん素地」「脂肪酸ナトリウム」「ラウリン酸Na」「オレイン酸Na」などと書かれています。洗浄力は高めで、アルカリ性なので洗髪後にごわつきを感じることもあります。
アミノ酸系
髪の毛のもととなるタンパク質はアミノ酸によって構成されています。同じアミノ酸系の界面活性剤が洗浄成分として配合されているアミノ酸系シャンプーは、頭皮や髪にやさしい弱酸性。洗浄力もマイルドなため、うるおいを保ちながら洗うことができ、頭皮環境の改善に役立ちます。
成分表示には、
・ラウロイルメチルアラニンNa
・ココイルグルタミン酸
・ココイルアラニン
などと書かれています。敏感肌や乾燥肌の人はもちろん、ノーマル肌にもおすすめです。
頭皮に合ったものを選ぶ
頭皮の肌質を加味して、自分に合ったシャンプーを選ぶのが大切です。原料が高価な分、値段は少し高めですが、頭皮にやさしい洗い上がりを重視するのであればアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
アミノ酸系シャンプーは、必要な皮脂やうるおいを落としすぎないため、頭皮を乾燥から守りながら洗うことができます。
ただし、アミノ酸系と表示があっても、高級アルコール系シャンプーにアミノ酸が少量含まれているだけという場合もあります。パッケージの成分表示は配合量の多いものから順に書かれていますので、最初のほうに、
・ラウリル硫酸Na
・ラウレス硫酸
などの成分が書かれているものには注意しましょう。
頭皮にやさしい成分が配合されているか確認する
頭皮の状態改善に役立つ成分が添加されているかどうかも、育毛シャンプー選びの参考となるでしょう。
・頭皮にうるおいを与える海藻エキスや植物エキス
・ヒアルロン酸などの保湿成分
・頭皮の血行をうながすセンブリエキス
・フケ・かゆみを防ぐグリチルリチン酸2K
・頭皮の炎症を抑えるカミツレエキス
などがありますので、頭皮の状態や目的に合わせて選びましょう。
育毛にノンシリコンは有効?
近年は、シリコンが配合されていない「ノンシリコン」をうたうシャンプーも増えてきています。シリコンは髪の表面をコーティングして手触りをなめらかにする効果がありますが、「毛穴をふさいでしまうのでは」と心配になる人もいますよね。
実際のところ、シリコンが頭皮に悪影響を与えたり、育毛のさまたげになったりするということは、医学的に証明されていません。それでも抵抗がある場合は、ノンシリコンのタイプを選ぶのもひとつです。
頭皮環境の改善を目的とした育毛シャンプーのなかには、ノンシリコンタイプのものもあります。選ぶときの基準のひとつにするのもよいでしょう。
薄毛や抜け毛を防ぎ、頭皮の環境を整える対策ケア
育毛を促すためには、シャンプー以外にも、頭皮環境を整える正しいケアが必要です。代表的なものをみていきます。
頭皮のうるおいを守る洗髪方法
間違った洗髪は、頭皮の乾燥を招く原因になることも。しっかりとした正しい洗髪方法を実践することで頭皮環境を保つ効果が期待できるのです。
- ぬるま湯だけで髪や頭皮を洗い流し、余分な汚れを落としておく
- シャンプーは手のひらなどで泡立ててから髪や頭皮につける
- 頭皮をゴシゴシこすったり爪を立てたりせず、指の腹でマッサージするように洗う
- 生え際や首の後ろまでシャンプー成分を残さないようしっかりとすすぐ
洗髪後は濡れたままにすると、髪や頭皮に雑菌が繁殖します。ドライヤーを使ってしっかりと乾かしましょう。
頭皮のうるおいを守るためには頭皮専用のローションを洗髪後に使用するのもおすすめです。シャンプーのときと同様、指の腹で頭皮をやさしくマッサージしながらなじませてあげましょう。
紫外線対策を行う
頭皮は顔よりも多くの紫外線を浴びやすいので、紫外線対策も重要です。日差しの強い日は、UVカット効果のある帽子などを活用するとよいでしょう。頭皮や髪に使いやすいスプレータイプの日焼け止めもおすすめです。
規則正しい生活習慣
髪や頭皮をすこやかに保つためには、生活習慣の見直しも大切です。
・睡眠不足の解消
・栄養バランスのよい食事を心がける
・飲酒や喫煙の習慣を見直す
・ストレス発散できるような趣味を持つ
・適度な運動を始める
などを心がけましょう。
まとめ
健康な髪を育てるには、自分に合ったシャンプー選びと頭皮環境を良好に保つヘアケア、規則正しい生活習慣がとても重要です。今回紹介した育毛シャンプーの選び方や効果的な薄毛対策を参考に、抜け毛・薄毛を予防していきましょう。
- この記事の監修専門家
- エステティシャン、スキンケアマイスター、毛髪診断士、サロンオーナー
山口 史恵