抜け毛・薄毛の対策と頭皮ケア

頭皮にもニキビができるの?ニキビを防いで健やかな頭皮を維持するには

頭皮のケア方法

シャンプーの最中やブラシを使っているとき、頭皮にポツンとできものを発見することがあります。頭皮にニキビがあっても顔ほどには目立ちませんが、頭皮環境が悪化していないか気になりますよね。注意したいポイントや、予防を兼ねたホームケアについて紹介します。

 

頭皮にできるニキビの特徴や原因

ニキビは、なんらかの原因で毛穴が詰まり、内部でアクネ菌が増殖することで発生します。頭皮も毛穴を詰まらせる要因が多く、ニキビができやすい部位です。

 

頭皮ニキビを作らせる要因

頭皮ニキビが頻繁にできる場合、以下のような要因がないか確認してみましょう。

・頭皮の乾燥…角質層が厚くなり、古い角質が毛穴を詰まらせる
・紫外線…髪が薄いと直射日光を受け、乾燥やバリア機能の低下を引き起こす
・シャンプーのすすぎ残しやスタイリング剤の付着…毛穴を詰まらせる、または頭皮の刺激となる

赤く腫れたニキビは、炎症を起こした状態。頭皮の炎症は抜け毛を引き起こすこともあります。顔にもニキビが多くて体質的にニキビができやすい人、何度も繰り返す人は、一度皮膚科の受診がおすすめです。

 

マラセチア菌による炎症にも注意

頭皮にはマラセチア菌という真菌(カビ)も多く存在しています。そのため、頭皮ニキビの原因となるのはアクネ菌だけでなく、このマラセチア菌も原因となることがあります。

マラセチア菌は、皮脂を分解して炎症物質を作り出します。頭皮に炎症やかゆみ、ベタベタとしたフケを引き起こす脂漏性皮膚炎や、毛包内で増殖するマラセチア毛包炎の原因となることもあり、注意が必要です。

マラセチア菌による炎症が疑われる場合は、抗菌薬を用いた治療を取り入れましょう。またシャンプーも、抗菌成分を配合した薬用シャンプーがおすすめです。

 

頭皮ニキビのホームケア・予防方法とは?

頭皮に限らずニキビを予防するには、清潔さを保つことが大切。合わせて皮脂をコントロールし、ターンオーバーを整えましょう。

 

シャンプーで頭皮を清潔に保つ

皮脂は汗とともに頭皮表面に皮脂膜を作り、乾燥や外的刺激から頭皮を守っています。しかし余分な皮脂は、毛穴を詰まらせてニキビの原因になることも。定期的なシャンプー(1日1回まで)で清潔さを保ちましょう。

1. まずはシャンプーをつけず、38~40度のぬるま湯で髪全体を洗い流す(予洗い)
2. シャンプーは両手で軽く泡立ててから頭皮につけ、指の腹で揉み出すように洗う
3. すみずみまで丁寧に洗ってから、ぬるま湯で時間をかけてすすぐ
4. タオルで水分をしっかり拭き取り、ドライヤーで根元から乾燥させる

頭皮は必ず指の腹を使い、マッサージするように洗いましょう。爪を立てると頭皮を傷つけ、バリア機能の低下をもたらします。おでこや後頭部など毛髪の生え際は洗い残しやすい部分です。意識しながら念入りにすすぎましょう。

すでにニキビがある場合も、頭皮を清潔に保つシャンプーは欠かせません。ただしゴシゴシ洗うのではなく、泡で汚れを包み込むようにやさしく洗いましょう。かさぶたも無理にはがさないようにしましょう。

 

シャンプーの選び方

適度に皮脂を残す方法には、洗う時間を短くするなどの方法があります。しかし、シャンプーの洗浄力の強さによっては、どうしても洗い過ぎてしまうことも。その場合は洗浄力の弱いシャンプーを変更しましょう。

シャンプーの洗浄力は配合されている界面活性剤で決まります。しかし、界面活性剤をひとつひとつ覚えるのは難しいので、以下のようなポイントで見極めてみましょう。

・高級アルコール系…名前に「○○硫酸~」とつくのが特徴。洗浄力は強め
・石けん系…「カリ石けん素地」などとつくのが特徴。高級アルコール系同様、洗浄力は高め
・アミノ酸系…「~グルタミン酸」「~アラニン」などとつく。頭皮と同じ弱酸性で洗浄力もマイルド

皮脂の取り過ぎは頭皮の乾燥を招き、皮脂の過剰分泌を起こすことがあります。頭皮が硬いなど、乾燥が疑われる場合は、アミノ酸系シャンプーで皮脂を取りすぎない洗髪をしましょう。

また、頭皮がすでに炎症を起こしているようなら、抗炎症成分を配合した薬用のシャンプーでやさしく洗うようにしましょう。

 

ニキビを防ぐ内側からのケア

毎日の食事では、必要な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。特に肌の材料となるタンパク質、肌を健やかに保つビタミンAやビタミンC、亜鉛、皮脂の分泌を抑制するビタミンB群、血行を促すビタミンEなどを意識して摂取しましょう。以下のような食材に含まれています。

・タンパク質…肉や魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品
・ビタミンA…ニンジンやかぼちゃなどの緑黄色野菜、チーズ、卵
・ビタミンB群…卵、納豆、マグロ、カツオ、玄米や胚芽米
・ビタミンC…赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、レモン
・ビタミンE…アーモンドなどのナッツ類、うなぎ、たらこ、アボカド
・亜鉛…牡蠣、ホタテ、豚レバー、高野豆腐

睡眠では、深く眠る熟睡状態で成長ホルモンをしっかり分泌させることが肌の修復や成長に役立ちます。毎朝日光をしっかり浴び、夜は寝室の照明を落とすと体内時計が整い、自然にぐっすり眠れるようになるのでおすすめです。

日頃から運動習慣を持つことや就寝2~3時間前の入浴も、眠りの質を高めるとされています。

 

頭皮にニキビがあるときの注意点は?

頭皮にできたニキビは、痛みやかゆみをともなうことがあります。気にして何度も触ったり、指でつぶしたりする行為はニキビの悪化を招き、回復を遅らせるので避けましょう。また、頭皮に触れるタオルや枕カバーは常に清潔なものを使いましょう。

 

適切なヘアケアでニキビを作らせないことが大切

顔のニキビも頭皮のニキビも、発生するメカニズムやケア方法はほとんど一緒です。ただし頭皮は皮脂の分泌が多く、シャンプーのすすぎ残しやスタイリング剤の付着で汚れやすいという特徴も。日頃から適切なヘアケアを心がけ、健やかな頭皮を維持してニキビを予防しましょう。

この記事の監修専門家
Crystal 医科歯科 Clinic International 医師
中島 由美
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