抜け毛・薄毛の基礎知識

枕の周りに目立つ抜け毛は薄毛注意報!?日常でできる対策とは

抜け毛・薄毛の原因と対策

男女とも30~40代になると、抜け毛の多さが気になることがありますよね。特にシャンプー中に排水溝に溜まる抜け毛、枕の周囲に散らばる抜け毛があると「このまま薄毛になってしまう」と不安になるのでは?こうした抜け毛は、心配すべき兆候なのでしょうか。

 

抜け毛には自然なものとそうでないものがある

今生えている髪はずっと伸び続けるのではなく、必ず寿命があります。1日あたり50~100本程度の抜け毛であれば、自然な生理現象と考えることができるでしょう。

毛髪は下記のような「ヘアサイクル」を繰り返しながら、常に生え変わっています。
・成長期…毛母細胞が分裂・増殖し、毛髪が成長している期間
・退行期…毛母細胞の分裂がストップし、成長しなくなる期間
・休止期…毛根の位置が浮き上がり、あとは抜けて落ちるだけの期間

ヘアサイクルのうち「成長期」が長ければ長いほど、髪は太く長く成長します。男性型脱毛症(AGA)になるとこの成長期が短くなるため、髪が細く短いまま抜けるケースが多くなります。

また、「休止期」に入った毛髪は、シャンプーをしたりブラシをかけたり、髪を引っぱったときなどによく抜け落ちます。

 

毛根部分を見てチェック!

枕のまわりに散乱した髪が自然に抜け落ちたものかどうか確認するには、毛根をチェックするとよいでしょう。

 

棍棒状のふくらみがあれば自然

ヘアサイクルの休止期に入って自然に抜けた毛は、毛根部分が棍棒やマッチ棒のようにややふくらんでいます。成長を終えてメラニン色素の供給も止まるため、ふくらみ部分が白っぽくなっていることもあります。

 

毛根が先細りしていたら注意

一方、毛根にまったくふくらみがなく、先細りしていたり、細くねじれたりしている場合は注意が必要です。このような毛髪は「萎縮毛」といい、なんらかのトラブルにより毛母細胞の分裂が阻害されて、毛の成長がストップした状態。特に毛根の先端に細い根のようなものがついているときは、円形脱毛症などが疑われます。

気になる脱毛症状がある場合は、一度皮膚科に相談してみてください。

 

抜け毛を増やさないための対策

毛髪をきちんと育てるには、頭皮環境を良好に保ち、栄養が頭皮のすみずみまで行き渡るよう血流を促すことが大切です。

 

栄養バランスのよい食事を心がける

髪や頭皮の原材料は、タンパク質です。また、ビタミン・ミネラルも育毛環境を整えるために使われます。こうした栄養素をさまざまな食材から、バランスよく摂取するようにしましょう。食生活のポイントについては、『育毛促進に食べ物は効果的?髪の健康や薄毛改善に役立つ栄養素』も参考にしてください。

 

質のよい睡眠・適度な運動

細胞の成長を促し、ダメージを修復する成長ホルモンは、睡眠中に分泌されています。毎日決まった時間に起床・就寝する習慣をつけて、質のよい睡眠を確保しましょう。適度な運動習慣を取り入れると、全身の血流を促しながら、寝つきをよくし、眠りを深くするのに役立ちます。

また、強いストレスを感じていると、皮脂の分泌が過剰になったり、頭皮が凝り固まって血行が悪くなったりするなどの反応が現れます。こうした反応から、頭皮環境が悪化することも。ぐっすり眠ることや適度に運動することはストレスの解消にも役立ちますので、日頃から意識するとよいでしょう。

 

シャンプーで頭皮を清潔に保つ

頭皮に付着した皮脂や汚れをそのまま放置していると、毛穴をつまらせたり汚れが酸化したりして頭皮環境の悪化をもたらします。かといって、シャンプーを頻繁にすると必要な皮脂まで奪ってしまい、頭皮が乾燥する原因に。シャンプーは1日1回までにとどめ、皮脂の状態に合わせた洗浄力のシャンプーを選んでやさしく洗いましょう。

 

髪はしっかり乾かしてから寝る

髪を乾かさないまま寝ると、頭皮に雑菌が繁殖。炎症を起こしたり、いやな臭いの原因になったりすることがあります。濡れた毛髪は表面をうろこ状に覆うキューティクルが開いているため、枕と擦れることで傷みやすいという欠点も。夜にシャンプーをしたときは、自然乾燥ではなくタオルドライをしっかり行ってから、ドライヤーで根元から乾燥させましょう。

 

マッサージで血流を促す

頭皮の血行を促すには、マッサージを行うのもおすすめです。以下の動作の中から「気持ちがよい」と感じるものを2~3選んで、毎日続けてみましょう。

・指の腹で頭皮を押さえつけ、小さい円を描くようにしてもみほぐす
・指の腹で頭皮全体をリズミカルにはじいて刺激する
・両手の指を額からこめかみにかけての生え際にあて、頭皮を引き上げるように圧迫する
・側頭部や襟足から頭頂部に向かって、指先で圧迫する
・耳たぶをつまんでもみほぐしてから、外側にゆっくり引っぱる
・後頭部のくぼみに人差し指と中指を置き、ゆっくりあごを上げる

爪を立てる、ブラシで叩くなどの行為は頭皮を傷つけることがあります。力を入れすぎないよう気をつけましょう。

 

まとめ

枕の周りに目立つ抜け毛は、ヘアサイクルの休止期を迎えたことによる生理現象であることが多いと考えられます。「薄毛になってしまうのでは」と気になるときは、毛根の状態を確かめてみましょう。抜け毛が増えたと感じているなら、頭皮環境を整えることも大切です。食事や睡眠、ヘアケアなど、できるところから始めてみましょう。

この記事の監修ドクター
吉井クリニック 院長
吉井 友季子
KEYWORD

コンプレックスなく明るい世界を ソーシャルテック