抜け毛・薄毛の対策と頭皮ケア

頭皮の大量発汗で薄毛・抜け毛が加速?暑い季節の頭皮ケア方法

頭皮のケア方法

頭皮には皮脂腺だけでなく、汗腺も多く集まっています。日頃から汗っかきを自認している人なら、この大量の汗が薄毛や抜け毛に影響するのでは…と心配になったことがあるのでは?

この記事では、頭皮の汗と薄毛に因果関係があるのかどうか、汗によって起こる頭皮トラブルとその対処法などを紹介します。汗をかきやすく薄毛が気になっている人はぜひ、参考にしてください。

 

頭部はどんなときに、なぜ発汗するの?

私たちは汗をかくことで、体温を調整しています。暑い季節に汗がたくさん出るのは普通のことですよね。特に頭部の汗には大切な脳をクールダウンする目的があるとされ、体のなかでも最後まで汗が引かないのはそのためだという説もあります。

このほかにも汗は、運動をしたとき、ストレスや緊張を感じたとき、辛いものを食べたときなどに多く分泌されます。

 

頭皮の汗と薄毛・抜け毛との関係は?

汗をかくと、なんとなく髪の毛がするっと抜けやすくなるイメージがあるかもしれませんね。でも、安心してください。毛髪が生えている毛穴と、汗を出す汗腺は別のもの。汗をかきすぎたからといって、毛髪が抜けてしまうことはありません。

ただし、汗をたくさんかくことで頭皮環境に影響が出る可能性はあります。頭には髪が密集しており、皮脂腺も多い部位です。汗がすぐ乾かないため蒸れたり、分泌された皮脂が汗と混ざり合ってベタついたり、いやな臭いの原因になることもあります。

さらに、頭皮の表面に住み着いている常在微生物が汗や皮脂をエサに刺激物質を作り出し、頭皮に炎症を起こすおそれも。つまり、汗は薄毛・抜け毛の直接原因にはなりませんが、間接的に頭皮環境の悪化を引き起こす可能性があるのです。

頭部に汗をかいたら濡れタオルでこまめに拭くか、シャンプーをしましょう。以下では対処のポイントについて、もう少し詳しく解説します。

 

シャンプーは1日1回まで

汗をかく季節は臭いやベタつきが気になり、できれば1日に何度でも髪を洗いたくなりますよね。でもシャンプーのしすぎは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流して、乾燥の原因に。乾燥が慢性化すると、やはり、薄毛・抜け毛を引き起こしてしまいます。

市販のシャンプーは、ラウリル硫酸Naなど「~硫酸」が主原料の高級アルコール系シャンプー、石けん素地などから作られる石けん系シャンプー、「~グルタミン酸」「~アラニン」などのアミノ酸が主原料のアミノ酸系シャンプーなどに分類できます。

高級アルコール系や石けん系は、比較的脱脂力が強め。アミノ酸系は、洗浄力がマイルドです。皮脂の状態に合ったシャンプーを選び、洗髪回数は1日1回までにしておきましょう。

逆にシャンプー回数が極端に少ないと、皮脂をエサに頭皮の常在微生物が繁殖することがあります。適切なシャンプー頻度で、頭皮を清潔に保ちましょう。

 

強い日差しによる頭皮の日焼けにも注意を

暑い季節は汗だけでなく、強い日差しによる頭皮へのダメージにも注意する必要があります。太陽光に含まれる紫外線は、頭皮表面に炎症を起こして頭皮環境を悪化させます。

紫外線はまた、表皮細胞にダメージを与え、コラーゲン線維など真皮組織を変性させる「光老化」を引き起こします。毛髪を形成する「毛母細胞」がこの光老化によってうまく機能しなくなると、髪の毛が育たなくなってしまうおそれもあります。

紫外線から頭皮を守るには、帽子や日傘が有効です。スプレータイプの日焼け止めを活用するのもよいでしょう。

 

生活習慣も合わせて見直し

大量の汗で頭皮環境が悪化しやすい季節は、頭皮によい習慣を意識して取り入れることも大切。髪の毛や頭皮の材料となるタンパク質、タンパク質の代謝や合成に使われるビタミンB群、亜鉛などを中心に、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

髪や頭皮が健やかに育つためには、睡眠中に成長ホルモンが十分に分泌される必要があります。質のよい眠りを促すためにも朝はしっかり日光を浴びて体内時計を整え、夜は寝室の明かりを落とす、快適に眠れる寝具を揃えるなどしてぐっすり眠れる工夫をしましょう。

頭皮の血行を促す育毛剤を使う、マッサージを行うこともよいですね。詳しくは、『髪の毛を増やす方法とは?食べ物・ヘアケアでの抜け毛や薄毛対策と育毛剤の選び方』を参考にしてください。

 

汗が多くて困っているなら病院へ

そもそも「頭や顔から大量に吹き出る汗をなんとかしたい」という人もいますよね。首や手首、わき、鼠径部などには、太い血管が通っています。そこを集中的に冷やして体温を調節すれば、発汗が抑えられるかもしれません。首に濡れタオルや冷たいペットボトルを当てる、手首を冷水にひたす、などを試してみてください。

暑い季節だけでなく年中、汗が止まらなくて困っているという場合は、汗が出すぎる「多汗症」という病気の可能性もあります。多汗症には全身性のもの、特定の部位だけ汗が増える局所性のものの2種類があります。現在は日本皮膚科学会が作成した診療ガイドラインをもとに、注射や塗り薬、飲み薬などを使った治療が行われています。ひそかに汗の多さを気にしている、日常生活にも支障が出ている…という人は、一度皮膚科か内科で相談してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

頭や顔に大量の汗をかいていると「人前に出るのが恥ずかしい」「化粧崩れや汗染みが気になる」「臭いがしそう」「ヘアスタイルがペタッとしてしまう」など、さまざまなことが心配になりますよね。でも、汗をかくこと自体はけして悪いことではありません。それに適度に汗をかくような運動を習慣にすると、体力増進や育毛にも役立ちます。かいた汗はそのままにせず、1日1回のシャンプーですっきり洗い流し、清潔で健やかな頭皮をキープしましょう。

この記事の監修ドクター
吉井クリニック 院長
吉井 友季子
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