頭皮が乾燥すると、さまざまな問題が起きます。今回は、頭皮が乾燥してしまう原因と対策について見ていきましょう。
頭皮が乾燥する原因とは
頭皮は、さまざまなことが原因で乾燥します。
・肌に合わない
・洗浄力の強いシャンプーを使っている
・紫外線を受けすぎている
・ストレスや睡眠不足
・バランスが崩れた食生活
などが原因と考えられます。
洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮に必要な皮脂を洗い落としてしまい、紫外線は頭皮にダメージを与え老化を進める原因となります。
ストレスや睡眠不足、栄養バランスが崩れた食生活は血行を悪くし、新陳代謝を鈍らせます。新陳代謝が鈍くなると、頭皮のターンオーバー(肌の新陳代謝)が乱れ、バリア機能や水分保持力が低下し、頭皮の乾燥を招きます。
頭皮が乾燥すると、かゆみやフケをもたらします。また、抜け毛が生じる場合もあるので、対策をしっかりと行いましょう。
頭皮の乾燥対策におすすめ!市販シャンプーの選び方
クリニックでも相談にのってもらえますが、まずは市販のシャンプー剤について考えましょう。
髪や頭皮環境を乾燥させる成分を知っておく
シャンプーの主成分は、水と界面活性剤です。界面活性剤には洗浄力の強いものや弱いものがあり、それぞれ「○○系シャンプー」と種類分けされています。
高級アルコール系シャンプーは非常に洗浄力が強く、皮脂の分泌が盛んな思春期を迎えるころの年代には使いやすいものです。ただ、年齢を重ねた人や、頭皮が乾燥している人にとっては使いにくいものとなります。これは洗浄力が高すぎて、頭皮の皮脂をとりすぎてしまうからです。ちなみに、高級アルコール系の「高級」とは「高品質」「価格が高い」という意味ではなく、単なる分子構造上の名称です。
皮脂は頭皮を乾燥から守るために必要なものです。皮脂を除去しすぎてしまう可能性のある高級アルコール系シャンプーの使用には、慎重になるべきです。ただ、高級アルコール系シャンプーといっても、どのシャンプーが該当するのかはわかりにくいですよね。ここでは、代表的な界面活性剤成分をいくつか紹介します。
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸アンモニウム
成分表は、配合量が多い順に上から並んでいます。このような成分がシャンプーの上位に記載されていたら、高級アルコール系シャンプーだと言えるでしょう。
髪や頭皮にやさしいアミノ酸系シャンプーを選ぶ
では、頭皮の乾燥に悩む人はどのような洗浄成分を選べばよいのでしょうか。アミノ酸系シャンプーは髪や頭皮にやさしいので、頭皮環境を整えるのにおすすめのシャンプーです。
アミノ酸は、タンパク質を作る元となる成分で人間の体のなかにも存在しています。髪もタンパク質を主成分としているので、頭皮に対して刺激が少なく、アミノ酸系シャンプーは肌にやさしいと言えます。
洗浄力は高級アルコール系にやや劣り、洗い上がりの爽快感はそれほど強くはありません。しかし、肌をやさしく保護してくれる効果が見込めるため、頭皮トラブルの悩みを持つ人にとっては最適なシャンプーなのではないでしょうか。まれに、かゆみを生じる場合があるので、その際はタウリン系などを試すとよいでしょう。
アミノ酸系シャンプーに配合されている界面活性剤の成分には、以下のような名称がついています。
・ココイルグルタミン酸ナトリウム
・ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
・ココイルメチルアラニンナトリウム
・ココイルグリシンナトリウム
自分の髪質や頭皮の状態に合ったシャンプーを選ぶ
現在はインターネットが発達しているため、数多くの体験談や口コミランキングを見ることができるようになりました。
これらは情報収集先として、「どんなシャンプーがあるのか参考にしたい」という目的で使うのであれば、極めて有効です。
一口にアミノ酸系シャンプーといっても、どんなものがあるのかがわかりづらいですし、一つずつのシャンプーを「これはアミノ酸系シャンプーかどうか」を成分表示で見ていくのは大変だからです。
また、実際にアミノ酸シャンプーを使った人の体験談は一つの参考になります。ただ、どれほどすぐれたシャンプーであっても、人によって合う・合わないがあります。
なかには、意図的にねじまげた評価が寄せられているものもあるのが事実です。このため、体験談や口コミランキングをそのまま鵜呑みにするのは危険と言えます。自分の髪質や頭皮の状態に合ったものを冷静に見極めてシャンプーを選ぶようにしましょう。
頭皮ケアには正しいシャンプーの洗い方の実践も大切
どれだけ質のよいシャンプーを使っていても、使い方が間違っていては逆に頭皮と髪の毛を痛めかねません。ここでは、正しいシャンプーの方法を紹介します。
1.シャンプー前にブラシをかけ、髪のからまりやホコリを取っておく
2.ぬるま湯(38~40℃)で髪や頭皮を予洗いし、汚れをあらかた落とす
3.シャンプー剤を手のひらにとり、しっかり泡立ててから髪や頭皮につける
4.指の腹を使って、頭皮をマッサージすることを意識しながら洗っていく
5.時間をかけて洗い流し、すすぎ残しがないようにする(特に耳裏の付け根、襟足や生え際)
6.やわらかいタオルで水分を吸い取り、髪の根元からドライヤーをかける(ゴシゴシと摩擦をかけない)
アミノ酸系シャンプーは高級アルコール系シャンプーに比べて泡立ちにくいので、適量の水と空気を加えてしっかり泡立てることを意識しましょう。原液のまま、直に頭皮につけるような使い方はNGです。
髪の毛を洗うときは指の腹を使い、爪を立てずに頭皮をもみほぐすように洗いましょう。シャンプーが頭皮に残ると、雑菌の格好の餌場となり、頭皮環境を悪くしてしまうので、すすぎも丁寧に行ってください。
生乾きの髪は雑菌が繁殖しやすいうえ、キューティクルもはがれやすい状態にあります。すみやかにドライヤーを使ってきちんと乾かしましょう。ドライヤーの熱が髪を傷めないよう、20cm以上離して使うのがコツです。
また、同じ所にドライヤーを当て続けると頭皮や髪が傷つく可能性もあります。熱が均一になるようにドライヤーは動かしながら乾かしてください。
頭皮ローションなどのヘアケア用品で保湿を
最後に、プラスアルファのケアについても見ていきましょう。頭皮を乾燥から守りたいときは、頭皮ローションを使ったケアがおすすめです。
頭皮用のローションには、セラミドやヒアルロン酸などの高い保湿力を誇る成分が配合されていることが多く、乾燥しやすい冬の季節でも、きちんと頭皮を保湿してくれます。
ウォーターベースなのでヘアオイルのようにベタつくこともなく、さっぱりとした使い心地のものが多いため、春夏の頭皮ケアにもおすすめです。
基本的に、頭皮ローションはお風呂あがりに使うものです。使うタイミングは商品によって異なりますので、購入したらその頭皮ローションの正しい使い方をきちんと確認しておくようにしましょう。
まとめ
頭皮の乾燥は、フケやかゆみなどをもたらすとても厄介なもの。また、抜け毛をもたらすこともあるので、できるかぎりきちんと対策していきましょう。
・紫外線
・不摂生な生活
・ストレス
・間違ったシャンプー選び、シャンプー方法
これらによって、頭皮の乾燥が起こります。このなかで、すぐに対応ができ、効果がわかりやすいのはシャンプーでしょう。シャンプーはアミノ酸系のものを選び、正しい手順で洗髪するようにしてください。必要に応じて頭皮ローションを使えば、さらに髪の毛や頭皮を保護しやすいことでしょう。
- この記事の監修専門家
- Aura代表 毛髪診断士 / JHSA認定講師
谷平 達昭