男性の頭皮のかゆみの原因は、乾燥によるものや皮膚疾患が原因のものなどさまざまです。その中でも間違ったヘアケアによって起こるかゆみや、ストレス、生活習慣によるものは、生活習慣を見直すことで、対策することができます。
男性の頭皮のかゆみの原因となる頭皮湿疹
頭皮の湿疹
頭皮の湿疹によって起こるかゆみは、主に以下の3つの頭皮湿疹が考えられます。
・アトピー性皮膚炎
・脂漏性皮膚炎
・接触性皮膚炎
頭皮湿疹が出ている場合、乾燥によるものは「乾皮症」や「皮脂欠乏性湿疹」と呼ばれており、シャンプーのし過ぎによる皮脂のとりすぎが原因のひとつになっています。
アトピー性皮膚炎
湿疹やかゆみは、「アトピー性皮膚炎」の症状によって引き起こされることも考えられます。かゆみを我慢できずに掻きむしってしまうことで、症状を悪化させることもあるため、注意が必要です。
脂漏性皮膚炎
皮脂分泌の多い場所に起こりやすく、地肌に赤みがある湿疹がかゆみをともなう場合は「脂漏性皮膚炎」を疑いましょう。身体の常在菌であるカビの一種マラセチアが、異常に増殖している場合も。女性よりも男性のほうが多く、遺伝の影響もあるといわれています。また、ストレスや寒い季節に悪化しやすくなります。
接触性皮膚炎
シャンプーや整髪料などが頭皮にふれたあとに、かゆみや赤みなどの症状が見られたら、「接触性皮膚炎」の可能性があります。
生活習慣のなかで頭皮のかゆみを引き起こす原因
頭皮に残ったシャンプーやコンディショナーによる炎症
洗髪の後、シャンプー剤やコンディショナーなどのすすぎ残しがあると、それが頭皮への刺激となってしまい、フケやかゆみを引き起こすことがあります。シャンプーに含まれる合成界面活性剤が、地肌に残留することで、毛穴に汚れが詰まります。シャンプーの後は、ぬるま湯のシャワーを地肌にあてて、洗浄成分を洗い流すよう丁寧にすすぎを行ないましょう。
頭皮の乾燥により肌のバリア機能が低下
頭皮のフケやかゆみの原因の一つには、乾燥などのトラブルによって肌のバリア機能が弱まることがあげられます。通常健康な皮膚は、1カ月程度かけて角質が自然とはがれおち、ターンオーバー(細胞の生まれ変わり)によって新しい皮膚に生まれ変わります。しかし、乾燥や何らかの原因でターンオーバーが乱れると、肌のバリア機能が低下しやすくなります。そうなると、ちょっとした刺激でも頭皮は敏感に反応してしまい、かゆみを引き起こしてしまいます。
カラーリングや紫外線など頭皮にうける刺激
カラーリングやパーマをかけることが、フケやかゆみ、抜け毛などの原因になることがあります。パーマの薬剤やカラーリング剤はもともと刺激が強い成分が入っているものも多く、アレルギー皮膚炎の原因になったり、長時間使用することで体内のタンパク質にも影響を与える場合があります。
さらにオキシドール(過酸化水素)は皮膚につくと強い刺激で炎症を起こすこともるため、皮膚が弱い方は、美容室で美容師へ相談しましょう。市販のカラーリング剤を使う場合は、成分表をチェックして選ぶことが大切です。
頭皮のかゆみを改善するための対策
薬用シャンプーは一般のシャンプーとどんな違いがあるのでしょうか?そもそも薬用シャンプーは医薬部外品に該当するもので、この医薬部外品は医薬品と化粧品の中間に位置しています。その有効成分には、
・抗菌作用
・抗炎症作用
の主に2つの作用があり、成分によって、頭皮の気になる症状であるかゆみ、フケ、においなどの改善効果が期待できます。
頭皮にやさしいシャンプー成分を選ぶ
髪の毛はタンパク質であるアミノ酸でできています。そのため、アミノ酸系界面活性剤の洗浄成分であれば頭皮や髪に優しく、与えるダメージも少ないとされています。アミノ酸系シャンプーに含まれている主な成分は以下の3つです。
・メチルアラニン
・グリシン
・ココイルグルタミン酸
個人差はあるものの頭皮に必要な皮脂を取りすぎることなく、マイルドに洗うのに適しているとされているので、選ぶ目安としましょう。
正しい方法で髪を洗う
正しい洗髪方法で、頭皮や髪にダメージを残さないようにしましょう。爪を立てて洗ったり、すすぎが十分にできていなかったりすると頭皮トラブルの原因になりかねません。
- 濡らす前の髪を、くしやブラシで毛先からとき、絡まりを取っておきましょう。
- ぬるま湯のシャワーで頭皮と髪を、十分に濡らしながら予洗いを行います。
- シャンプーを手のひらにとって軽く泡立ててから、髪になじませていきます。指の腹を使って小刻みに指を動かしながら円を描くように、まんべんなく洗っていきましょう。
- すすぎも丁寧に行います。生え際や耳の後ろ、襟足などは特に洗い残しやすい場所なのでしっかりとすすいでください。
ストレスを解消する
頭皮のかゆみは、ストレスが原因の場合もあります。頭皮のかゆみだけにとどまらず、ストレスは体調不良を引き起こす原因にもなるので、早めの解消を心がけることが必要です。
好きな趣味を持つ、食事の改善や運動習慣を取り入れるなども効果的です。軽めの運動は、ぐっすり眠れるようになりメリットが期待できます。そのほか、頭皮マッサージを入浴時や寝る前などに自分で行ったり、ヘッドスパなどを受けるのもストレス解消やリラックスに効果的です。
頭皮を保湿する
頭皮も肌の一部なので、年齢とともに潤いが失われていき、乾燥が目立つようになります。これを防ぐには保湿が必要です。もともと頭皮の潤いは、皮脂と角質層の細胞間脂質のセラミドなどに守られており、これらが洗浄力の強いシャンプーで洗い流されてしまうことで、頭皮の乾燥が起こる場合もあります。
乾燥によるフケやかゆみのある人は、刺激の少ないアミノ酸系シャンプーを使いましょう。洗髪方法を見直して、それでも足りない場合はローションやオイルなどで保湿することも可能です。
紫外線を浴びない
髪の毛を作り育てるための重要な組織である毛包幹細胞に、ダメージを与えてしまうと言われているのが、紫外線です。髪の色が薄くなったり、髪の生成に支障が出たりすることも。帽子の着用や、ヘアケア用のスプレータイプの日焼け止めなどを使用することもおすすめです。
対策をしても頭皮のかゆみがおさまらないときは皮膚科へ
頭皮のフケやかゆみの原因として多い頭皮湿疹の原因は、汗や乾燥、蒸れによるものなどさまざまです。かゆみに耐え切れず、掻きむしったりして頭皮を傷つけてしまうとなかなか治りにくなってしまいます。
自宅でのケアとして、マイルドで刺激の少ないシャンプーやコンディショナーに変え、傷ついた頭皮を優しく洗い清潔を保ちましょう。処方された薬をきちんと用法容量を守り、使用しましょう。
まとめ
頭皮のかゆみには、様々な原因があるため、それらの原因に合った方法で対処していくことが大切です。
・乾燥によって引き起こされるもの
・アレルギーによるもの
・紫外線やパーマなど外的刺激によるもの
などが原因となってかゆみが発生します。対策法としてはシャンプー選びや正しい洗髪法を行い、ストレスの解消や食事など、生活習慣の改善も心がけていきましょう。
- この記事の監修専門家
- スキンクリニック藤枝 院長
小野 健太郎