シャンプーをしているとき、手に付いてくる毛の多さや排水溝の抜け毛の量に驚いたことはありませんか。シャンプーをするたびに抜け毛が心配な女性に、
・シャンプー時に髪の毛が抜ける原因
・1日の抜け毛の正常な本数
・抜け毛を防ぐ正しいシャンプー選びや方法
それぞれについて詳しく説明します。
シャンプー時に髪の毛が抜けるのはなぜ?
シャンプー中はシャワーや指で頭皮を刺激するため、どうしても髪が抜けがちになります。また、日中に抜けていた毛が他の毛にからまっていて、それがシャンプーの時に落ちるということもあるでしょう。そのため、特にシャンプーの時は髪が多く抜けているように見えるのです。
正常なヘアサイクルによる抜け毛は心配なし
ヘアサイクルとは髪が生まれて抜けるまでの周期のことで、私たちの髪の毛は常に発毛と脱毛を繰り返しながら一定の毛量を保っています。
ヘアサイクルには、細胞増殖や分化の盛んな「成長期」、毛母の細胞分裂が停止して細胞数が減少する「退行期」、脱毛の準備をする「休止期」があります。休止期にあたる髪の毛が自然に抜けるのは正常なため、心配ありません。
抜け毛が多い場合はシャンプーが原因の場合あり
しかし、中にはシャンプーが原因となって毛が抜けることもあります。頭皮に合わないシャンプーや洗浄力が強すぎるシャンプーを使うことで頭皮が乾燥・ダメージを受けると、フケやかゆみ、抜け毛が起こってしまいます。
あまりにも抜け毛が多い場合や、頭皮に違和感がある際には、現在使っているシャンプーや洗髪方法を見直すことをおすすめします。
シャンプーで抜ける髪の毛の正常な本数とは
日本人の成人の頭髪は約10万本とされており、1日50~100本程度が自然な脱毛量ということになります。女性の場合、男性に比べて髪の毛が長いので特別抜け毛の量が気になる方も多いかもしれませんが、1日100本以内であれば心配する必要はありません。
抜け毛の量よりも抜け毛の状態を要チェック
これまで抜け毛の本数について触れてきましたが、実際に1日に抜けた本数を数えることは困難です。実は抜け毛の本数よりも、抜けた毛の状態を観察することで自分の頭皮の状態がわかります。
ヘアサイクルによって抜けた毛は太く長く、その先端には丸いふくらみのある毛根がついています。抜け毛の状態をチェックしてみて、以下のようなものがあったら注意が必要です。
・細い毛が多い
・毛根が小さい、細い、ない
・毛根に皮脂や汚れが付いている
・毛根の形がガタガタして歪んでいる
これらのような抜け毛は、頭皮になんらかのトラブルがある場合や、髪の毛に栄養がきちんと届いていない可能性があります。
女性の抜け毛を防ぐ対策方法
シャンプーが原因による抜け毛を防ぐには、
・使用するシャンプー選び
・シャンプー方法
・髪の乾かし方
これらを見直すことが抜け毛対策につながります。順番にみていきましょう。
抜け毛を防ぐ正しいシャンプーの選び方
シャンプーには、汚れを落とすための洗浄成分が配合されています。その洗浄成分とは界面活性剤というもので、その種類によって、
・高級アルコール系
・石けん系
・アミノ酸系
に分けられます。高級アルコール系の界面活性剤は泡立ちがよく安価であるため、多くの市販シャンプーに使用されています。しかし、高級アルコール系シャンプーには洗浄力が強すぎるというデメリットもあります。
頭皮に必要な油分や水分まで洗い流してしまうため、頭皮が乾燥し、皮脂を過剰に出してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
石けん系シャンプーは天然成分で昔から使用されている洗浄剤ですが、弱アルカリ性で、高級アルコール系ほどではありませんが、洗浄力が強い傾向があります。
そこで、抜け毛予防のためにおすすめなのはアミノ酸系シャンプーです。洗浄力がマイルドで、汚れのみを落とし、頭皮に必要な油分は残してくれるため、頭皮にやさしいシャンプーと言えるでしょう。
シャンプーを選ぶ際は成分表記を見て、主成分である水の次に、
・ココイルグルタミン酸
・ココイルグリシン
・ラウロイルメチルアラニンNa
などの表記があるシャンプーを選びましょう。
抜け毛を防ぐ正しいシャンプー方法
頭皮によいシャンプーを手に入れたら、正しい方法で洗髪をしましょう。
- シャンプーの前にブラッシングし、髪の毛のからみをほどいておく
- 38℃~40℃のぬるま湯で頭皮と髪を予洗いする
- シャンプーを手で泡立ててから頭にのせ、指の腹でやさしく頭皮をもみ洗いする
- 泡やシャンプーの成分が頭皮や髪に残らないよう、ぬるま湯で十分にすすぐ
頭皮の汚れが多い場合は一度目に髪の毛だけを洗い、二度目に頭皮を洗う「二度洗い」を行うのもおすすめです。
抜け毛を防ぐ正しい乾かし方
髪の毛のためには、洗った後しっかりと乾かすことも大切。髪や頭皮が濡れた状態の時は、ダメージを受けやすくなっています。洗髪後はできるだけ早く髪を乾かしましょう。
- 髪を洗ったら、吸水性のよいタオルでしっかりとタオルドライをします。
- 頭皮の水分を拭き取ったら髪をタオルで挟み、押さえるようにしてやさしく水気を拭き取りましょう。
- ドライヤーを使って根元から乾かします。髪に熱を加えすぎないよう、ドライヤーは20cm以上離して使用しましょう。
対策をしても抜け毛が増えてきたら皮膚科へ
いろいろと対策をしているのに、それでも抜け毛が気になる方は、クリニックに行ってみるのもひとつの手段です。自分の頭皮や髪の毛の状態を把握するには、専門家の意見を聞くのが一番。抜け毛の対処法、または治療が必要なのかなど、不安な点を相談することができます。
抜け毛にはさまざまな原因がありますが、基本的にはまず皮膚科を受診するのがよいでしょう。
まとめ
シャンプー時の抜け毛の不安は解決しましたか。大切なのは、ヘアサイクルによる自然の抜け毛なのか、それともシャンプーが原因の抜け毛なのかを判断することです。もし後者だと判断したら、早めに洗髪習慣を見直してみましょう。
- この記事の監修専門家
- エステティシャン、スキンケアマイスター、毛髪診断士、サロンオーナー
山口 史恵