鏡で見られる顔とは違い、頭皮が汚れているかどうかは、自分では確認しにくいものですよね。頭皮が著しく汚れていると頭皮環境が悪化し、健やかな髪の成長に影響することがあります。汚れやすさを把握するとともに、すっきり清潔に保つシャンプーのコツを取り入れましょう。
頭皮の汚れやすさをチェック!
あなたの頭皮は汚れている可能性があるでしょうか。まずは以下の項目にあてはまるか、チェックしてみてください。
□ 野菜が少なく、肉や洋菓子など脂っこい食べ物・ジャンクフードを好んで食べる
□ 生活リズムが不規則で、つい寝不足になりがち
□ 疲れやストレスが溜まっている
□ シャンプーを1日2回以上している
□ シャンプーを3日以上しないことがある
□ シャンプーは1~2分で済ませている
□ シャンプー後は自然乾燥にまかせている
□ 空気の汚れた場所(排ガスやばい煙、粉じんなど)に滞在することが多い
□ 汗っかきである
□ 枕カバーや帽子を長いこと洗っていない
半数以上にあてはまる場合は、頭皮が汚れやすいといえます。頭皮に汚れが残っていると、汚れの成分が頭皮を刺激。頭皮環境が悪化し、育毛に悪い影響を及ぼすおそれがあります。
頭皮はどうして汚れるの?
頭皮の汚れには、身体から出る汚れと、外から付着する汚れの2タイプがあります。
身体から出る汚れ
頭皮には皮脂腺や汗腺が多く分布しており、汚れやすい部位といえます。特に偏った食生活や、ストレスの多い生活・不規則な生活を続けていると、皮脂の分泌が増えてしまいます。
また頭皮には皮膚常在菌も存在しており、皮脂が多いとそれをエサに増殖します。増えた常在菌が頭皮に炎症を起こすことで、ベタベタと脂っぽいフケの原因となることがあります。
一方、皮脂が少なすぎても頭皮が乾燥し、細かく乾いたフケを引き起こすことがあります。どちらのタイプのフケも頭皮の汚れを増やすとともに、頭皮環境悪化のサインです。シャンプーを正しい方法で行い、清潔に保つようにしましょう。
外から付着した汚れ
大気中のチリやほこり、花粉などが付着することがあります。皮脂が多いとべたついているため、さらに付着しやすくなるでしょう。またシャンプー剤をきちんとすすがないこと、スタイリング剤を落とさないことも、汚れの原因になります。
頭皮の汚れをすっきり落とす方法
頭皮の汚れを落とすものといえば、シャンプーですよね。ちょっとしたコツを覚えれば、頭皮の汚れを効率よく落とせるようになりますよ。
正しいシャンプーの方法
シャンプーは1日1回まで。以下のような手順で行います。
1. シャンプー前に髪全体にブラッシングを行い、汚れを浮き上がらせておく
2. まずぬるま湯(38度前後)だけで、頭皮や髪全体をすすぐ(予洗い)
3. シャンプーは手のひらで泡立ててから頭皮に乗せ、洗い始める
4. 爪を立てず、指の腹で全体をやさしくマッサージするように洗う
5. すみずみまで洗ったら、ぬるま湯で時間をかけて丁寧に流す
シャンプー前にブラッシングと予洗いをすることで、余分な汚れが落ちやすくなり、シャンプーの消費量も減らせます。
特に注意したいポイントについても見ていきましょう。
重点的に洗いたい部分
髪の生え際や耳の周り、襟足、後頭部などは、つい適当に洗いがち。汚れが溜まりやすい部分なので、意識して洗うようにしましょう。頭皮を洗うときは、爪を立てず、指の腹を使ってやさしくマッサージするように行うことも大切です。美容師さんの指使いなどを思い浮かべながらやってみましょう。
すすぎと乾燥
シャンプー剤が頭皮に残ったままだと、刺激になり頭皮環境に影響を与えます。また前述の「重点的に洗いたい部分」は、うっかりすすぎ残しやすい部分でもあります。すすぎはぬるま湯で、時間をかけて丁寧に行いましょう。
洗髪後の髪は自然乾燥に任せると、雑菌の繁殖を招くことがあります。清潔なタオルで水気を拭き取り、ドライヤーで根元から乾燥させましょう。
マッサージ・クレンジング
頭皮を揉みだすことで、毛穴周りの余分な皮脂を除去する効果があります。シャンプーしながら行うのもよいですが、事前にオイルを頭皮になじませて指の腹でマッサージし、シャンプーと一緒に洗い流す「オイルクレンジング」もおすすめです。
マッサージ用のオイルにはホホバオイルやオリーブオイルなど、添加物の少ない天然オイルを選びましょう。
清潔な頭皮をキープして健やかな髪へ
自分ではなかなか見ることができない頭皮の汚れですが、皮脂や汗、古い角質、ちり・ほこり、スタイリング剤…など、さまざまな要因で汚れていることがあります。頭皮の汚れをそのままにしていると、かゆみが出たり、育毛にも影響が出たりすることも。正しい手順でシャンプーを行って清潔な状態をキープし、健やかな髪の育成に役立てましょう。
- この記事の監修ドクター
- 吉井クリニック 院長
吉井 友季子