抜け毛・薄毛の基礎知識

薄毛の予感は前髪から?薄い・割れる・育たないときの対処法

抜け毛・薄毛の原因と対策

前髪は、毎日鏡で目に入る部分。最近薄くなって、心配になってきた…という人もいるのではないでしょうか。それに、「前髪のセットが決まらない」「年々おでこが広がって、このまま薄毛になってしまうのでは」と気にしている人もいますよね。こんなときどうすればよいのか、まずは原因から考えてみませんか?

 

前髪が薄くなる原因とは?

前髪が薄くなってくる原因としては、頭皮の状態が悪くなっている可能性もあれば、AGA(男性型脱毛症)などホルモンの影響なども考えられます。それぞれについて詳しく見てみましょう。

 

頭皮環境の悪化

髪が薄くなる原因として、まっさきに考えられるのは頭皮環境の悪化です。たとえば血行不良や栄養不足、ストレスなどで頭皮に十分な栄養が行き渡らなくなると、健やかな髪が育ちにくくなります。血行不良は冷えや姿勢の悪さ、運動不足、喫煙などから引き起こされます。思い当たる要因はありませんか?

頭皮のコンディションはどうでしょうか。かゆみがある、フケが出るなどの症状はありますか?乾燥して頭皮が硬くごわつく、反対に皮脂が多すぎてべたつく…などの症状がある場合も、髪は上手に育ってくれません。

紫外線を浴びる機会が多いことや、シャンプーのすすぎをきちんと行っていないなどの間違ったケアも、頭皮環境の悪化につながりますので気をつけましょう。

 

ホルモンや加齢の影響

AGA(男性型脱毛症)では、生え際がM字状、もしくはU字状に後退していくという特徴があります。早ければ20代の人にも見られる症状で、男性ホルモンのなかでも活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)が毛包に作用し、軟毛化を引き起こします。同じように薄くなっても60代以上の人の場合、老人性脱毛症といわれます。

女性の場合もFAGAと言われる脱毛症がありますが、男性とは進行が異なり、頭頂部を中心に全体的に髪がまばらになったり、分け目から徐々に薄くなったりするケースがほとんどです。女性で前髪が薄くなるときは、出産や閉経後にホルモンバランスが変わることによる影響も考えられます。

 

外部からの刺激によるもの

髪を強く引っぱり続けた結果、その部分が薄くなることもあります。牽引性(けんいんせい)脱毛とよばれる症状です。毎日ひっつめ髪やポニーテール、ハーフアップなどの髪型をしている人、セットのたびに前髪を強く引っぱりながらブローしたり、ヘアアイロンを当てたりしている人も、刺激によって前髪が薄くなりやすいので気をつけましょう。

 

前髪が薄くなったら対処法は?

まずは生活習慣全般を見直し、頭皮環境を整えていきましょう。毎日の質のよい睡眠や適度な運動は、健やかな髪を育てるために欠かせません。栄養面では髪・頭皮の材料となるタンパク質に加えて、ビタミン・ミネラルなどバランスのよい影響を心がけましょう。

セルフケアではシャンプーを適切に行い、頭皮をマッサージして血行を促します。前髪を引っぱる・頭皮を圧迫する動作は控えましょう。それでも改善しない場合は、育毛・増毛サロンなどで、プロのアドバイスやケアを取り入れる方法もあります。

 

取り入れたいヘアケア

まずはシャンプーの方法や、シャンプー選びを見直してみてください。シャンプーは頭皮への刺激が少ないアミノ酸系の界面活性剤を配合した製品がおすすめです。製品によっては髪にハリ・コシを与えるタイプや、ボリュームを出すタイプなどもありますので、そうしたものを選ぶのもよいでしょう。皮脂が多くて頭皮に湿疹や炎症、フケ・かゆみなどの症状が見られる場合は、抗菌成分や抗炎症成分に注目して選んでみましょう。

シャンプーをするときは、指の腹で頭皮全体をやさしくもみほぐすように洗います。原液をじかに頭皮につけて洗っている人は、手のひらで泡立ててからつけるように変えてみましょう。洗い終わったらシャワーですみずみまで丁寧にすすぎ、清潔なタオルで水気をよく拭き取ってから、ドライヤーですばやく乾燥させましょう。

 

頭皮マッサージ

血行不良を改善するために手軽に取り入れたいのが、頭皮マッサージです。やり方は主に以下の3パターンがあります。

・円を描くように頭皮をもみほぐす(揉捻法)
・指先に力を入れ、頭皮をつかんでは離す、を繰り返す(圧迫法)
・握りこぶしで頭皮をリズミカルに刺激する(叩打法)

こうした動きを薄毛が気になる部分だけでなく、頭皮全体や、血流でつながっている首・肩などにも行ってみてください。シャンプーの最中やシャンプー前、育毛剤をつけながら、テレビを見ながら…など好きなときに行ってみましょう。

 

育毛剤や発毛剤を使う

育毛剤は頭皮環境を整えるためのもので、血行促進や保湿、皮脂分泌抑制、局所刺激、細胞賦活、抗男性ホルモンなどの成分が配合されています。医薬部外品であり、通販やドラッグストアなどで購入することができます。発毛剤は医薬品として取り扱われており、髪の毛母細胞に働きかけるなどして発毛を促すものです。

頭皮環境の改善や育毛剤・発毛剤を使ったケアは、健やかな毛髪が育つまでに少し時間がかかります。即効性を求めるなら、増毛や植毛を検討してみるのもよいでしょう。

 

増毛法

薄くなった部分をなんらかの手段でボリュームアップさせる方法です。市販の増毛パウダーや増毛スプレーを使って手軽にセルフケアできるものから、今ある髪の毛に人工毛を結びつける・編み込む、人工毛付きのシートを頭皮に貼り付けるなど、増毛サロンやエクステ専門サロンでの施術が必要な方法もあります。

 

植毛

薄毛が気になる部分の頭皮に穴を開けて、自家毛や人工毛を植えつける手術のことです。確実に髪の毛が増やせますが、医療機関で手術を受ける必要があります。人工毛はトラブルが多いため、最近は後頭部などからの自家毛移植がほとんどです。

 

前髪の薄さが目立たないヘアスタイル

思い切って前髪の薄さが気にならないヘアスタイルに変えてしまうのも一つの方法ですよね。男女それぞれについて解説しましょう。

 

男性におすすめのヘアスタイル

前髪は中途半端に下ろすよりも、短めにカットして立ち上げてしまうのがおすすめ。視線を上に誘導しながらボリュームアップしたように見せ、爽やかな印象もプラスできます。トップの毛流れは一方向ではなく、全体的に散らせるなどして動きを出すのもよいでしょう。

薄くなった周囲の髪を伸ばして隠そうとすると、逆効果になるケースも。特に暑い季節は汗の湿気で髪が束になってしまい、思いのほか目立ってしまうことがあるので気をつけましょう。

 

女性におすすめのヘアスタイル

カーラーやヘアアイロンを活用し、前髪にふんわりとボリュームを出すのがおすすめ。ウイッグやスカーフを活用したスタイルもいいですね。

短めヘアーの場合はウルフカットやベリーショートなど、前髪とサイドの毛の境が曖昧なスタイルにカットすることで、前髪の薄さを自然にカバーできますよ。

女性は分け目の周囲から薄くなることも多いので、日頃から定期的に分け目を変えておくことも大切です。

 

前髪が薄くなったなと感じたら頭皮環境の改善を

ヘアスタイルでカバーする、育毛サロンや医療機関で相談する…など、いざとなればさまざまな解決方法がある現代。あまり悩みすぎないことも大切です。

一時的な抜け毛は、誰にでも起こる可能性があります。食生活や生活リズムが乱れていないか、ストレスが影響していないかチェックし、できるところから改善していきましょう。頭皮によいシャンプーや育毛剤の選び方、頭皮マッサージの方法なども覚えて、健やかな髪を育てる手助けとしたいものですね。

この記事の監修専門家
スキンクリニック藤枝 院長
小野 健太郎
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